【人事の部屋】人事と数字

どの会社の人事も一年で何人の社員が辞めたのか(離職者数)は把握していることでしょう。

ここで問題になってくるのが、どのクラス(階級・役職)の人が辞めているかということです。

また、離職者が新卒採用者なのか中途採用数なのかも重要になってきます。

私が人事をしていたころもこういった数字をよく自分で計算していました。

必ず数字で把握することが人事の重要な役割になります。なぜ重要かというと、人事の仕事は印象で語られてしまうことが多いからです。

多分、期末になってくると今年は新卒がいっぱい辞めたなーとか、中途がなかなか定着しないなーといった不満が人事にぶつけられることがよくあるのではないでしょうか。

単純な例として新卒採用した人材の数が10人の会社と100人の会社では離職者数10%でも離職者数は前者は1人、後者は10人となり社員が感じる印象は後者のほうが多く感じるのです。

離職率だけとっても人事は部署別、階級別、年齢別、勤続年数別できれば上司別など細かく離職率を出すことで、そういった無駄な議論にならないための盾を準備しておくことが必要になります。

とにかく人事は社長や役員の印象で仕事の方向性を大きく変えられる仕事なので、そういった方向に行かないように誘導する力を持つ必要があります。

なぜここまで私が口を酸っぱく数字の話をするかというと、人事がする仕事が会社に与える影響は3年後5年後に大きくなるからです。

例えばあなたが新卒採用担当だとします。今の採用方針が間違っていないと確信しており、これから採用人数を増やして会社の戦力にしていこうと考えているときに、社長が新卒は研修コストがかかるから採用を減らしたいといわれたらどうしますか?

新卒採用を半分にして中途採用数をその分増やしたいといわれたらどうしますか?

もしあなたが社長の言いなりになってその方針に舵を切ったとします。

3年後、本当にその会社は成長していると思いますか?

3年後に過ちに築いて新卒採用数を増やすとなったとき、成果を出すまで何年かかりますか?

人事のかじ取りの難しいところは、舵を切ってもいきなり成果が出にくいことです。

そのために人事担当者は常日頃から自分の仕事に関わる数字を細かく把握し、経年でどのようなことが起きているのかといったことまで話せる必要があるのです。

個人的に人事の仕事は一番他部署から口出しされやすい仕事だと思っています。(笑)

ただ、人事は経営者や他部署の言いなりでは存在意義がないのです。

私が知っている社長さんたちで人事に精通している人はほぼいません。

なので社長が口を出してくるときはほぼ勘やほかの会社の社長が言ってることを真に受けていると思ってください。

そういった意見を断固としてはねつけて、自分たちが考える戦略を進める人事になるために数字を把握することがとても大事なのです。

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